2020/04/03 21:39
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▼ 徳島の山奥でただ1軒になってしまった拝宮手漉き和紙工房の中村功さんの作品をご紹介いたします。
中村さんは、ご家族で楮を育てて和紙を漉いておられます。
勿論、紙を漉いているのですが、材料の楮の皮は和紙にならない部分も出てきてしまいます。
それらを使って中村さんは紙ではない作品も作っておられます。
今回はその、紙ではない作品のトレーや花入れをご紹介いたします。
▼ こちらのトレーは紙には使えなかった楮の皮を漆で固めて作られました
野趣を感じるこのトレーは上にのせる器をより美しく演出してくれます。
実は、私も扇子の撮影にはその下に中村さんの大きめの漆のトレーを使わせていただいていますが、とても相性が良いのです。
トレーには黒い漆にさりげなく朱があしらわれていたり、まるで油絵のペインティングナイフで盛りつけたような荒々しい表情が出ていたりします。
撮影すると光の当たり方で多様な見え方をするので本当はどれが正しいのかと使う画像を選ぶのに悩んでしまいます。
▼ たとえば、この花入れは皆さんどのように使っていただけますか?
他ではなかなか見かけないタイプの花入れです。
勿論直接水を入れても大丈夫です。
▼ 最後に
いつも自作の和紙に達筆なお手紙を添えてくださる中村さんは徳島の山奥で鹿に楮の新芽を食べられてかなわん!と農作業をしながらまじめな和紙を漉き、美術館で展示をする作品を作り1年に一度三溪園の日本の夏じたくで私たちにも作品を披露してくださいます。
今年は新型コロナウイルスの影響で中止になってしまった日本の夏じたくですが、中村さんはもう、来年の展示の構想が出来ているそうです。
楽しみですね! 紀波:談